あいまいもこ

厄年に怯えるアラサーが、曖昧模糊とした気持ちと本の感想を綴るブログ。

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極北クレイマー/海堂尊

極北クレイマー/海堂尊

海堂尊

こんにちは、そらまめf:id:tekuteku_michikusa:20170331142439j:plainです。

 

私は海堂尊さんの本が好きで何冊か読みましたが、今日は『極北クレイマー』の感想を書きたいと思います。

 

『極北クレイマー』のあらすじ

 財政破綻にあえぐ極北市。極北市の赤字5つ星の一つ、極北市民病院に非常勤外科医の今中がやってきた。

院長と事務長の対立、不衛生でカルテ管理もずさんな病棟、診療費未払いといった問題山積みの現場に愕然とする。ただ一人真面目に医療と向き合ってきた産婦人科医に起こった医療事故疑惑。

そんな中やってきた桃色眼鏡の派遣女医・姫宮に振り回されながら徐々に病院は再生していくように見えたが…。

日本が直面する地方医療問題に迫る意欲作。

 

医療過疎地の抱える問題

 私は介護福祉士として老人ホームで働き、今は医療関係の仕事をしています。

 

ドクターや看護師のような知識も経験もないですが、海堂尊さんの本は医学的知識がなくても楽しめます。

 

さらに、「褥瘡」など福祉の現場でも、予防やケアに取り組んでいたことが出てくるので感情移入やイメージをしやすかったです。

 

『極北クレイマー』は財政破綻にあえぐ架空の都市〝極北市〟にある極北市民病院が舞台です。

 病院の現状は悲惨で、看護師たちもやる気がなく、褥瘡もほったらかし、カルテ管理はずさん、病院なのにトイレが全て和式…とあり得ないほど酷い病院です。

 

予算もなければ医師も少ないため、立て直そうにも立て直せない。

 

〝こんな病院あり得ない〟とは思いますが、もし自分の住んでいる地域に、あり得ないような病院しかなかったら、患者はそこに行かざるを得ないんですよね。

 

私の住んでいる地域は総合病院もクリニックも沢山あるので、医師不足が進む医療過疎地の現状に驚きました。

 

病院に行きたい時に行けて、さらに自分で病院を選ぶことができるってすごく恵まれているんだなと思いました。

 

 医療に助けてもらって当たり前という世の中

 老人ホームで働いている時に、よくクレームを言う家族さんがいました。

 

もちろん職員や施設の対応で、気になるところや間違っていると思うところ、要望を言うのは当然だと思います。

でも「他の人はいいから、母だけを大事にして欲しい」という要望やあまりにも度が過ぎる細かいクレームはやめて欲しいと思っていました。

 

 あと、ベテランの先輩たちがよく「家族さんからありがとう、って言ってもらえることが少なくなった」とよく言ってました。

 

もちろん仕事なんだから、一生懸命やって当たり前ですが、「ありがとう」と言ってもらえることで報われた気持ちになるし、もっと頑張ろうと思えます。

 

この本の最後のほうに

みんな医療に寄りかかるが、医療のために何かしようなどと考える市民はいない。

医療に助けてもらうことだけが当然だと信じて疑わない。

何と傲慢で貧しい社会であることか(p466)

 医療が進歩し続ける中で、いつの間にか〝医者は完璧で当たり前〟という世の中になったのかなと思いました。

 

だからこそ、何かあった時に全力で叩く社会なのかなと。

 

〝医師〟も一人の人間だと言うことを、医療を受ける側も認識しなければならないと思いました。

日本人は今や一億二千万、総クレイマーだ。(p466)

私も自分でも気がつかない間に、クレイマーになっていたと思います。

 

直接クレームを言うことがなくても、医療サービスを受けれて当たり前・完璧に処置してもらって当たり前だと思っていました。

 

 感謝の気持ちを忘れずに、これからも医療にお世話になろうと思います。

 

 この本の続編である『極北ラプソディ』も面白いです!